東京町家的なモノ・・・ たためるちゃぶ台 (この記事はirei Blogを参考にさせて頂いています。)
子供の頃は、ちゃぶ台を囲んで食事をした。
ちゃぶ台を出したりしまったりは、僕の仕事。
食器箪笥の裏から、ちゃぶ台を転がして出して、足を出して、ひっくり返す。
まあるいから、小さな子供でも、転がして運べた。
ちゃぶ台を舞台に見立てて、ギター代わりの箒を持って載った。
すかさず、他の子たちが引き摺り下ろす、ロカビリーごっこ。
ひっくり返して四角い中に入ると、空飛ぶ円盤。
ちゃぶ台の足を両手で握って操縦桿。
勉強もここでした。
お菓子を食べたり、お茶を飲んだり・・・。
布団を敷く時間になると、足をたたんで、食器箪笥の裏へ。
わずか10cm足らずの隙間に身を隠すちゃぶ台。
小金井公園にある「江戸東京たてもの園」の居酒屋を見た時、小さなちゃぶ台を発見。
カウンターに横の、小さな小上がりに、それは置いてあった。
こんな可愛いちゃぶ台に、初めてお目にかかった。
肴並べて酒飲んだら、きっとおいしいだろうなぁ・・・。
もう、そのちゃぶ台が頭から離れない。
寝ても覚めても、小さなちゃぶ台。
会う人事に、熱っぽく語った。
言ってみるものだ、国分寺にちゃぶ台が得意な古道具屋があると教えられた。
早速行くと、いろいろなサイズのちゃぶ台が並べられていた。
でも違う、僕が欲しいのはもっともっと小さなモノ。
おじさんに、小金井公園のことを、事細かに語った。
探してくれると、請け負ってくれた。
熱が冷めかけた頃、連絡が来た。
小さなくせに、大きなちゃぶ台より高価だった。
早速家に連れてきて、酒盛りをした。
思ったとおり、具合がいい。
当たり前のことだが、小さくなると足が短くなる。
ずいぶん小さいと、ずいぶん低い。
子供の頃、湯豆腐の時は、足を出さずに七輪を乗せると
ちょうど良い高さだったことを思い出した。
気持ちよく酒を飲んでいると、肴がなくなる。
低いと、子供が手を出してつまみ食いをする。
その内、ソコでおやつを食べる。
その内、ソコでお絵かきをする。
すっかり、子供のモノになってしまった。
直径60cm、高さ20cmのちゃぶ台。
中学生になっても、まだ僕の元には帰ってこない。
たためる、ちいさなちいさなちゃぶ台。