
洋服にプレタポルテとオートクチュールがあるように、住宅にもプレタポルテな家があっても良いのではないか!そんなことから
i-works はスタートした。
当時、建築家:伊礼智さんは、その師として目標にする建築家に、共通するものを感じていた。それは、デザインの標準化、あるいは住宅作法と言った方が良いかもしれない。そんな建築家の1人、巨匠Nさんに「いつも同じディテールなんだから、いちいち書かなくても標準ディテールシートを創ったら・・・」と言ったことがある。「結果だけ見るとそう感じるかもしれないが、毎回一番しっくり行くディテールをいくつか考えて、絞り込んでいくと、結果として毎回同じになるんだ。」
これだと思う。建築家がその職能として備えていなくてはならない絶対条件、それは自分のスタイルを持っていると言うこと。けっして○○さん風とかプロバンス風とかではない、自分らしい価値観が現れた住宅作法。だから、写真を見ただけで設計者が分かる。それは、その人の作家活動の中で、無意識の内にいずれ絶対的な価値を持ち、スタイルに変わっていくものだと思う。
話はそれるが、スタイルを持った建築家は、相見積りをしない傾向にある。自分のスタイルが確立しているので、自分が設計した建物の適正価格を知っている。特命でもその価格が適正かどうか判断がつくし、思った価格と違っている場合は、その理由を確認して修正していく事で解決する。
相見積りで安い業者に決めたら、見積り落しや施工の事が考えられていなくて大変な思いをしたとはよく聴く話。昨今、建築家側に相当専門的な見積り能力がない限り、相見積りは、一番だめな業者を選択する手法になりかねない。また、その能力を身に着けた者は、相見積りの馬鹿らしさを知っているので、特命にする。実際、住宅規模の見積りでも、1件当たり30万円程度の経費が掛かるので、3件で相見積りをすると90万円の費用がかかり、その無駄が建築価格を押し上げているのだ。
私は学生時代、機械工場で図面書きのバイトをしていたことがある。二部上場の会社で、溶鉱炉の蛇口(スライディングゲート)をトレースしていた。ここでは、新規の注文を受けると、その規模や機能が類似する過去納入した図面(○○製鉄所○○工場○号機)を下敷きにして、そこで過去に起きた問題点を洗い出し、その部分を改善していく。多くの住宅が、毎回トライアルで、過去のものが下敷きにされていないことに違和感を感じていた。かといって、ハウスメーカーのように創造性を犠牲にしたものでも困る。
そんな思いを持つ伊礼さんと私が、ソーラータウンの住宅設計方法の話をしていて、共通するものが見えた。住宅作法の標準化・・・プレタポルテな家づくり。同じ施工者(相羽建設)と顔が見える関係の中で、同じパーツ(玄関・階段・トイレ・洗面所・浴室・キッチンetc.)同じ仕様仕上げ(OMソーラー・国産杉柱・ガルバリューム鋼板・そとん壁・中霧島壁・月桃紙・赤松縁甲板etc.)を使って設計していく。各室のアッセンブルは、けっして空間を限定するものではなく、完成度が高まるものだと考えた。溶鉱炉の蛇口を設計するように、問題点を改善しながら少しずつ進化をしていく。顔が見える同じ職人とつくることで、共通した考えを持てるようになり施工にも馴れて、精度とスピードが向上し、設計監理も軽減する。同じ材料を使うことで、使い回しが利き材料を無駄にしなくて済む。
ディテールの標準化も計った。ここをしっかりと抑えることで、8割方の詳細図がCADで貼り合せて構成していけるようになる。当然取り合い部分で矛盾する部分が出るから、そこを集中して考えればよい。空間の構成にしても同じだ。各室のユニットを使って空間を構成し、作業時間を詰めて、条件の読み込みと考え整理する時間に多くを割く。そのことにより、その作業の多くが若いスタッフでも可能になり、設計の質を下げずにより多くの住宅設計が可能になる。プロが読む建築専門誌に頻繁に採り上げられる事からも、その質は伺い知れるだろう。
結果として、私の周りの建築家が、その設計料を12~15%程度にしないと成り立たない状況の中で、10%というリーズナブルな料金で高品質な住宅の設計を可能にしている。図面枚数が多ければ良いという事ではないが、伊礼さんは30坪程度の建物でA3版100枚以上の図面を描く。
i-works という名は私が付けたのだが、相羽建設の「アイ」と伊礼さんの「i」が協働して、快適に住み続けられる家をつくりあげる事を願ってのことだ。

この部屋の仕上げ
天井;月桃紙(日本月桃)
壁 :薩摩中霧島壁箒引き5mm(高千穂ライフニクス)
床 :信州赤松15mm(木曽アルテック)
建築家がデザインするOMソーラーの家
大好評のOMソーラーの家「東京町家」勉強会。
i-works の家を豊富な写真を見ながら、その魅力に迫ります。
5月22日新宿:「東京町家」勉強会
ブログランキングに参加しています。ブログランキングクリック↑して東京町家の応援をお願いします。
3位から6位まで、泥沼混戦状態!
ここを抜け出すために、誰か救いの手でクリックを!
東京町家のホームページも、是非ご覧ください。