セルフビルドという選択

今日は『土地探しから始める理想の家づくり』という本の出版記念パーティ。
昼から筑波山の裾野まで車を走らせた。
木立に囲まれた間から見える岩と草は、初めからここにあったかのように存在する。
かろうじて、窓が付いているので家だとわかる。
地面から岩を登っていくと、草原かと思っていたところが屋根の上。
すっかり景色の一部に同化している。
住まい手は造園家。
石を積む事には慣れているとはいえ、大変な作業。
人は家に対する強い理念を持った場合、どうするだろう。
アイディアを建築家に話しても、困難な理由は山ほど出るが、解決策は無い。
法律の問題、予算の問題、構造の問題、雨処理の問題・・・きりが無い。
だったら自分でつくっちゃえば良いだろう。
自分でつくるのだから図面だって自分にわかるメモとスケッチでよい。
構造計算もできないし、建築基準法も知らない。
建築確認は一応申請したが、工事中赤紙がベタベタ貼られたらしい。
隣接する家がない広大な敷地に、自然を活かした家を自分でつくる。
全てのリスクは自分で取り、他人に迷惑をかけない。
建築予算は300万円、だからこの地にある素材の声を聴きそれに従う。
建築予算の大半は、構造材と建具に消えた。
仲間と力を併せて創り上げた。
自然に耳を傾け、地を読み解き、土に根ざした住まいを建てる。
その声を信じて、ただ淡々と石を積み重ね木を組む。
屋根はその地の植物が勝手に生える。
家に対する思いは建築家の100倍はあると言い切る。



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