今回の見学会場からは善福寺川まで徒歩20分。散歩がてら春を探しにやってきた。
善福寺川では、もう咲き始めた桜がちらほら。沢山の人たちが散歩している。気の早い人たちは、桜を待てずにもうお花見宴会を始めている。花より団子というところか。この季節、一気に街が華やぎ、わけもなくウキウキした気分になってくる。
さて、見学会ですが、沢山の方たちに工務店が設計するOMソーラーの家「東京町家」をご覧頂いた。とてもよく出来ていて、伊礼さんの設計と違いが分からないという感想を持った方が多かった。そういう方は、多額の設計監理料をかけずに、工務店の設計施工が向いていると思う。確かに、細かな収納の工夫が随所に盛り込まれ、非常に使いやすく出来ていた。もしかして、使い勝手や収納量だけをとったら、工務店の設計の方が優れているかもしれない。
では、何のために建築家に依頼するの?そもそも建築家って必要なのという疑問がわいてくる。私は必要だと思っている。確かに、工務店の設計者より感性も鈍く、経験も乏しい自称建築家(私なりに定義すると、「明快な設計理念を持たない者、又は具体的に其れを実現できる作法を持たない者」)も沢山存在する。そんな人に設計監理を依頼するのは、どう見ても無駄遣いとしか言いようが無い。
では、伊礼さんは何処が違うのかという説明をしよう。
まず、
高さと拡がりの感性が大きく違っているように思う。私には、畳の上の吹き抜けは高すぎるように感じるし、吹き抜け側の壁と食堂の天井の納まりが今ひとつしっくり来ない。こんな細かな寸法が、実は空間の質を作り上げていくものだと思う。
また、
プライバシーの距離感が絶妙だと感じることが多々ある。これは都市住宅を快適に住みこなすために不可欠要素で、周りの立地状況を考えずに、自身の作品性にだけ関心がある、多くの建築家と確実に違う。
もう一つ、
熱と空気の流れをデザインすることが出来る数少ない建築家の1人だと思っている。風向風力を読み、重力換気を心がけ、植栽や建築部位で微気候を創り出す。これは、OMソーラーの開発者で、建築家の奥村昭雄氏に師事して身に着けたものと思う。
だから、そう云う事が気になる人は、建築家に依頼した方が良いし、言われるまで、あるいは言われても何のことやら、全く気にならない人は、建築家に頼む必要が無い。人の価値観はそれぞれですから、実際の空間で体感して決めればよいだろう。誤解の無いように申し添えるが、今回見学した建物は、とてもよく出来ていたと思う。その辺の自称建築家には、とてもここまでできないだろう。「東京町家」に参加する工務店は、i-worksという建築家:伊礼さんとつくりあげたStyleを共有するから、工務店の設計でもこのレベルまで出来る。また、伊礼さんの影響を受けて、その設計理念と手法を身に着けつつある。とても価値があることだと思う。
見学会には、住まい手のTさんも参加されていて、とても喜んでいた。見学会に参加して、他人の家を素敵だと思っていたが、今度は自分の番になり、今まで見たどの家より良く出来ているのでとても嬉しいとお話してくれた。一番参考になったのは、バス見学会で、実際に生活されている方のお話は、良い事・注意する事・失敗した事全てを聴けるので良かったとのこと。
Tさんは、見学に見えた方に自分の体験を語っていただき、すっかり意気投合していらっしゃいました。早速、その方のお宅を見せて頂く事になりました。「リフォーム」「建替え」「買替え」の3通りで検討します。ありがとうございました。住まい手の生の声は、どんな営業トークにも勝ります。
4月9日・10日練馬区でOMソーラーの家の見学会を行います!小さな小さな9坪の極小住宅で、気持ちよく住むための工夫をご覧ください。設計はOMソーラーの家「東京町家」の建築家:伊礼智さんです。
石神井公園入口のすぐ近く、帰りにお散歩して春を見つけよう。
・日時:4/9(土)、10(日) 午前10時〜午後5時頃まで・場所:東京都練馬区下石神井(西武池袋線石神井公園駅下車、徒歩10分)・設計監理:伊礼智設計室(伊礼智、森泉綾)・施工:相羽建設(監督:和田宏康)
相羽建設に連絡を頂けると、案内図をお送りしています。メール mail@aibaeco.co.jpフリーダイヤル 0120-145-333FAX 042-393-9838
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