武蔵野の新しい風景って言われれば、こんなかな・・・。
東京都下、多摩地区では、最近の住宅ブームに乗って、建売住宅が盛んに建設されている。
不景気で、企業のリストラ策の一環として社員寮やグランドが売られ、相続税対策で畑や雑木林が売られ、まさに、あっという間に風景が変わってしまう。
新宿・池袋から30分、ドアtoドアでも通勤1時間圏内に立地するこのあたりは、まさしく建売天国。良くそんなに購入する人がいるなと感心していたら、供給過剰が続きとうとう値くずれし始めた。土地33坪、建物25坪で2400万円台で販売されている。(写真の物件ではありません)
例えば、現在OMソーラー住宅の場合、
OM住宅建設基金のローンを使うと35年固定金利で2.23%で借りられる。3000万円借りた場合、月々の返済額が102957円と言う事で、ファミリー向け賃貸マンションの駐車場代を含めた家賃より安くなってしまう。この隙間を狙った分譲が、住宅ブームの背景にある。
確かに、借りているより買っちゃった方が安い時代だ。
しかし、供給側は、2000万円台(諸費用込みで3000万円まで)で計画するから、そのひずみは、思いっきり建物に出てしまう。つまり、ビニールクロス、集成柱、フロア合板、塩ビ貼り建具・造作、窯業サイディング,農薬による防蟻処理、クロムによる防腐処理土台・・・化学物質の塊のような家にならざるを得ない。それなのに、住宅性能評価では最高ランクの成績だ。近い将来、公害を生むごみにしかならない住宅が、一定地域に短期間に大量に供給される事は、将来の社会問題を温存しているように思われてならない。自然の摂理を無視して、人間の業だけでつくったものは、いずれ自然の大きな力の前では破綻する。
老婆心なら良いが・・・。